会計ソフトのサポート終了、どう乗り換える?クラウド移行の手順
「使っている会計ソフトのサポートが、そろそろ終わるらしい」。こうしたご相談は、決算期の前後に増えます。
慌てて乗り換えると、かえって手戻りが出ます。この記事では どの順番で進めるか を整理します。
ソフトのサポート提供期間や移行時の仕様は、お使いの製品・バージョンによって異なります。実際の期限や移行可否は、現在お使いのメーカーの案内でご確認ください。
なぜ「サポート終了」が問題になるのか
サポートが終わると、一般に次のことが起こりえます。
- 法改正への対応が止まる — 税制や制度が変わっても、更新が提供されない
- 不具合の修正や問い合わせ対応が受けられない
- OSの更新に追いつかなくなる — Windowsの更新後に動かなくなる、といったリスク
会計は法改正の影響を受けやすい業務です。だからこそ、更新が続く仕組みに移す という判断になります。この点はクラウドの特徴でもある、法令改正への自動対応につながります。
進め方は4ステップ
ステップ1:いまの業務を棚卸しする(いちばん大事)
最初にやるべきは、ソフトを選ぶことではありません。いま何をしているかを書き出すこと です。
- 仕訳の入力は誰が、どんな方法で行っているか(手入力/通帳を見ながら/CSV取込)
- 会計ソフトの外で行っている作業はあるか(Excelでの集計、請求書の別管理など)
- 税理士・会計事務所とどうやり取りしているか(データの受け渡し方法)
- 会計以外に連携しているものはあるか(給与、販売管理など)
ここを飛ばすと「移行したけれど、結局Excelでの作業が残った」という結果になりがちです。
ステップ2:移行の時期を決める
会計は年度で区切られるため、時期の選び方で難易度が変わります。一般的には期首(新年度の開始)に合わせるのが区切りがよく、年度途中の移行は期首からの仕訳を移す作業が増えます。
決算期・確定申告の直前は避けるのが無難です。税理士・会計事務所と顧問契約がある場合は、この段階で相談しておくと後がスムーズです。
ステップ3:移行するデータの範囲を決める
「全部持っていく」と考えると重くなります。実務では次のように分けて考えます。
- 必ず移すもの — 勘定科目、取引先、期首残高
- 移すか相談するもの — 過去の仕訳データ(何年分必要か)
- 移さないもの — 旧ソフトで参照できれば足りる過去帳票(法定保存の要件はご確認ください)
過去データは、必要な年数だけを移して、残りは旧環境や出力した帳票で保管するという整理が現実的です。
ステップ4:並行運用でならす
いきなり切り替えるのではなく、しばらく両方を動かす 期間を設けると安心です。同じ月の数字が旧ソフトと一致するかを確認できれば、移行がうまくいったと判断できます。
freee会計には、freee以前の給与計算結果との差を確認する考え方と同様に、移行前後の数字を突き合わせて確かめるという発想が重要です。実際の確認手順は、ご利用のソフトと当社の支援内容に応じてご案内します。
つまずきやすい3つのポイント
勘定科目の「呼び方」が変わる
旧ソフトの科目名と、新しいソフトの標準科目が一致しないことがあります。移行時に対応表をつくっておくと、後の集計で迷いません。
銀行明細の取り込み方が変わる
クラウド会計の大きな利点は、明細の自動取得です。freee会計は銀行口座・クレジットカード・電子マネー等の明細をAPIで自動で取り込み、AIが勘定科目を推測して自動仕訳します。マネーフォワード クラウド会計も銀行・カードの明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案します。
この仕組みに合わせると、通帳を見ながら手入力するという作業自体がなくなります。逆に言えば、従来の入力手順のままだと利点が活きません。移行は「やり方を変える機会」でもあります。
税理士・会計事務所との連携
顧問先とデータをどう共有するかは、早めにすり合わせておきたい点です。クラウドであれば同じ画面を見ながら相談できるようになるため、やり取りの形自体が変わります。
会計だけでなく、周辺業務もつながる
移行のタイミングは、周辺業務を見直す好機でもあります。
- 経費精算 — freee経費精算は承認後にワンクリックでfreee会計へ仕訳連携、マネーフォワード クラウド経費も同シリーズの会計とつながります(経費精算の比較)
- 請求書 — freee請求書・マネーフォワード クラウド請求書は、発行から会計への記帳までつながります(請求書発行の比較)
- 勤怠・給与 — 勤怠の締めから給与、そして会計への仕訳までつなげられます(勤怠管理の比較)
ただし、一度に全部やろうとしないこと が成功の条件です。まず会計を移し、落ち着いてから次の業務へ広げる方が、現場の負担が小さくなります。
費用の負担を軽くする方法
クラウド移行は、IT導入補助金の対象になる場合があります(対象や枠は年度・公募回により異なります)。詳しくは「補助金×クラウド移行」で組み合わせの考え方を整理しています。
まとめ
- 業務の棚卸し — ソフト選びより先に、いまのやり方を書き出す
- 時期を決める — 期首が区切りやすい。決算・申告の直前は避ける
- データ範囲を決める — 必ず移すもの/相談するもの/移さないものに分ける
- 並行運用でならす — 旧ソフトと数字が一致するか確かめる
どの会計ソフトに移すかは、クラウド会計ソフトの比較・選び方で freee会計とマネーフォワード クラウド会計の違いを整理しています。より詳しい比較は「freeeとマネーフォワード クラウド、自社に合うのはどっち?」もご覧ください。
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