年末調整と社会保険の手続きをクラウドで:紙の回収をやめる進め方
年末調整は、毎年決まった時期に、短期間で全員分をさばく業務です。書類を配って、回収して、記入漏れを直してもらって、進捗を追いかけて、最後に給与ソフトへ入れる。担当者が1〜2名しかいない会社ほど、この時期だけ負担が集中します。
そして年末調整の準備は、実務が始まる10〜11月より前に手を打つ必要があります。夏から秋にかけてが、やり方を見直すのにちょうどよい時期です。
紙の年末調整で、時間がかかっているところ
作業を分解すると、時間を取られている場所ははっきりしています。
- 用紙の印刷・配布と、書き方の説明
- 回収と、出していない人への催促
- 記入漏れ・記入間違いのチェックと差し戻し
- 誰が出して誰が未提出かの進捗管理
- 集めた内容の給与ソフトへの入力・転記
紙での回収には紛失のリスクもあり、催促や差し戻しのやり取りも発生します。最後の転記では、項目の変換や手作業の入力でミスが起きやすくなります。
クラウドにすると、流れがこう変わる
マネーフォワード クラウド年末調整を例にすると、流れは次のようになります。
- Web配布 — メールで従業員へ依頼します。印刷も配布も要りません
- 従業員はスマホ・PCで回答 — 用紙に記入するのではなく、Web上のアンケートに答えるだけで入力が完了します。質問に答える形式なので、記入漏れも防ぎやすくなります
- 進捗管理・差し戻し — 提出・未提出がひと目で分かり、催促は自動リマインドで。修正が必要なときは、箇所を伝えて差し戻せます。複数人での作業分担もできます
- 年調年税額の自動計算 — 法令に従って控除額・所得額を自動で計算します
- e-Tax・eLTAXで電子申告 — 法定調書の作成と、行政機関への電子申告まで対応します
メールアドレスを持っていない従業員にも、ID/パスワードを発行して利用してもらえます。
給与ソフトを変えなくても、年末調整だけクラウドにできる
「年末調整のためだけに給与ソフトを入れ替えるのは大がかりすぎる」という声はよくいただきます。
マネーフォワード クラウド年末調整は、従業員情報・給与情報・申告書情報をCSVで連携できるため、他社の給与ソフトを使いながら年末調整だけを単体で利用することもできます。まずここだけ変えてみる、という始め方ができます。
freee人事労務を使っている場合は、管理者はメールで依頼するだけで、従業員はスマホ・PCで質問に答え、証明書を撮影して提出します。入力データから申告書類が自動作成され、電子申告まで完結します。KING OF TIME 給与にも年末調整機能があり、控除証明書の画像をAI-OCRで読み取り、電子的控除証明書(XMLファイル)にも対応します。
社会保険の手続きも、同じ流れで電子申請に
年末調整と並んで負担が大きいのが、入退社・賞与・算定基礎といった社会保険の届出です。ここもクラウド化の対象になります。
マネーフォワード クラウド社会保険は、従業員情報・給与実績のデータ連携と自動計算に一部入力を加えるだけの3ステップで書類が完成します。健康保険・厚生年金・雇用保険の資格取得/喪失届、賞与支払届、月額変更届、算定基礎届、労働保険申告書など、幅広い帳票に対応します。
作成した書類は e-Govで電子申請でき、窓口へ持ち込む手間・時間・移動がなくなります。PDF出力もできるので、従来どおり紙で申請することも可能です。申請状況は自動で更新され、従業員ごとの対応状況を一覧で確認できます。料率改定や申請様式の変更には自動アップデートで対応するため、様式を追いかける手間も減ります。
なお、電子申請は2020年4月から一部の法人で義務化されています。自社が対象かどうかは、要件をご確認ください。
ほかの製品でも対応しています
- KING OF TIME 人事労務 — 社会保険・雇用保険・労働保険の届出をe-Govへ電子申請でき、審査状況の進捗管理も行えます
- freee人事労務 — 新入社員自身がWebで情報を入力し、健康保険・雇用保険・市区町村への提出書類をワンクリックで自動生成。社会保険の電子申請まで完結します(スタータープラン以上)
費用の考え方
料金の出方は、メーカーによって考え方が違います。
まとめてのプランに含まれるタイプ マネーフォワード クラウドは、年末調整・社会保険を含むシリーズ全体が統合プランに含まれます(法人向けは ひとり法人 年額29,760円/スモールビジネス 年額53,760円/ビジネス 年額77,760円・いずれも税抜)。ビジネスプランでは年末調整・社会保険とも基本5名まで含まれ、6名以上は1名につき月額100円が加算されます。
1人あたりで積み上がるタイプ KING OF TIMEは1人あたり月額300円(税抜)・初期費用0円のワンプライスで、勤怠管理・人事労務・給与が同じ料金に含まれます。freee人事労務は基本料金(年払・従業員5名分込)+6名以降の追加料金という形で、年末調整の効率化・社会保険の電子申請はスタータープラン(基本料金 年額36,000円・6名以降は1名月額600円)以上が対象です。
いずれも参考価格(税抜)です。正式な金額はお見積りでご案内します。料金の考え方そのものは「クラウドSaaSの料金の考え方」で整理しています。
かんたんSaaS診断
年末調整だけクラウドにするか、給与までまとめるか。自社に合う形が約1分でわかります。
解決したいことを選ぶだけ。おすすめの組み合わせと参考価格の概算をその場で表示します。会社名・メールアドレスの入力は不要です。
診断をはじめる(約1分)いつから準備を始めるか
年末調整の実務は10〜11月に始まります。クラウドに切り替える場合、従業員へ案内を出す前に、設定と試し打ちの時間が必要です。
- 従業員マスタの登録内容の確認(氏名・住所・扶養親族など)
- 給与ソフトとの連携方法(自動連携か、CSVでの受け渡しか)の確認
- 管理者側の操作と、従業員向けの案内文の準備
- 一部の部署で試してから全社に広げる、という段取り
夏から初秋のうちに決めておくと、本番に余裕をもって臨めます。 逆に10月に入ってから検討を始めると、設定と並行して本番が来てしまい、初年度は慌ただしくなりがちです。
まとめ
- 紙の年末調整で時間を取られるのは、配布・回収・不備チェック・進捗管理・転記の5か所
- クラウドにすると、従業員はWebの質問に答えるだけ。進捗はひと目で分かり、電子申告まで進めます
- 給与ソフトを変えずに、年末調整だけ始めることもできます
- 社会保険の届出もe-Govで電子申請でき、料率改定や様式変更は自動で追随します
- 準備は10〜11月の本番より前に。夏から初秋が動きやすい時期です
ITPOINTは freee・マネーフォワード クラウド・KING OF TIME をいずれも正規に取り扱っています。いま使っている給与ソフトや人数をお伺いして、どこから手をつけるかからご一緒します。設定の代行や、従業員向け案内の準備までお手伝いできます。
自社に合う組み合わせと概算をその場で知りたい方はかんたんSaaS診断(選択式・約1分)を、人事労務まわりを比較したい方は人事労務・給与の比較・選び方をご覧ください。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。