鋼板・丸鋼・平鋼(FB)・角鋼などの鋼材販売やレーザー切断、ガス溶断、鋸切断、溶接・機械加工など、幅広く鉄の加工を行っている会社です。
1964年に創業者である能登尚が日鐵鋼業株式会社の前身である「日和商事」を設立。
「品質力」「対応力」「設備力」を強みとし「不可能を可能に変えるプロフェッショナル集団」を目指してきました。
代表取締役である能登伸一氏を中心に「会社の見える化」「コミュニケーション」「誇りを持てる会社づくり」という3つのテーマを軸とした企業改革を行うなど、社員の能力を100%引き出すための施策にも多く取り組んでいます。
本日は、そんな日鐵鋼業を支える縁の下の力持ち、専務取締役の能登様にお話をうかがいました!
新しいことを継続する力
御社の強みはなんですか?
強みはなんでも揃うことです。当社のようにこれだけの種類を扱っている会社さんはあまりいません。お客様も日鐵さんに頼めば全てが揃うというイメージを持っておられます。頼むときは一箇所にお願いしてそこで全部まとめてっていう方が手早いですし、コストもかからない。そういうことが強みだと思っています。
それを実現するためにやられている取り組みはありますか?
多種多様な商品を扱う風習は初代の社長(先代)から引き継がれてきたもので、常に営業の子がお客様を訪問して「うちはこういう品物を持ってますよ。こういうことができますよ」と伝えることには強く力を入れています。
また、仕事するためにはどういったことをしたらいいのかという観点では、10年以上前から3S活動(※1)に取り組み、継続的な開発会議(※2)や、Quality Management System(品質マネジメントシステム)という品質向上に関わる活動も7年ほど続けています。他にもエコアクション21、SDGsに関わる取り組みなどを続けることで、多種業にわたる作業も怪我なく残業することもなくできています。
※1 3S活動とは:整理・整頓・清掃の「3つのS」をスローガンに掲げる活動のことで、職場環境の改善のため様々な現場で取り入れられている。
※2 開発会議とは:日鐵鋼業株式会社で独自に行われている食事会のこと。
[詳細]https://nittetu.jp/company/president/
沢山の取り組みをされていますが、新しいことをする時に社員の方から反発はないのでしょうか?
巻き込んでいく最初のきっかけを作るのは大変です。そして継続していくのが一番難しいことだと思います。当社では、委員会を立ち上げてリーダーがリーダーシップをとって行っています。みんなが同じ気持ちになるまで最初の頃は時間がかかりました。イヤイヤやっている社員もいましたが、やっていくうちに、やっぱりやったらいいな、やったらこうなるんだってことを本人がわかってくる。「やってよかった」という風にみなさん変わるんですよ。「変わった」って。
社長さんがいらっしゃって、後は頼むよという会社さんもあるけど、うちは社長が「やる」と言ったら、社長が率先して参加して、あとは工場長やリーダーが参加してやっています。工場長も行動力のある人で、「やってくれ」と言われたことも自分がいいと思ったら絶対やるんです。それにみんなが付いていく。だから私は自分が率先してやっているというよりは、縁の下の力持ちなんです。苦労はありますけどね。(笑)
ですが、だから続けてこられたのかなと思います。どこかで誰かが「いいじゃん、もうやめよう」と言っていたら、そこで終わっていたかもしれません。当社の方針としてはこうしますと決めた以上はやり切ります。
勤怠システム導入について
勤怠システムの導入前はどのように勤怠集計されていたのですか?
勤怠管理はずっと手計算で行っていました。手作業で計算していると、どうしても間違いが起こります。時間的にも大変で、作業に丸一日かかっていました。特に残業時間の集計が負担になっていました。タイムカードを見比べながら計算するのですが、大変で大変で・・・集計作業を行う下準備から時間を取られていて、作業するのがとても億劫でした。とにかく集計時間を削減したい!という想いが強かったです。
現在KING OF TIMEをご利用されていかがですか?
すごく楽になりました!今までは『勤怠の集計作業は大変なもの』と思い込んでいましたが導入後は入力ミスなどもなくなり、とても早い時間で集計作業を終えることが出来ています。また残業についても今までは紙で運用していた分、判断のつかない残業時間が多くあり、月毎の残業時間が長くなりがちでした。今は現場のリーダーや工場長が残業時間を一目で管理が出来、コントロールしてくれているので時間も短くなりましたし、意味のある残業以外はほぼなくなりました。
「やめないこと、続けていることが一番大切です。」
専務取締役 能登氏
こうして新しいことを取り入れ、それを継続できる企業様もなかなか少ないですよね。お話を聞いているととても勇気をもらえます。
実は、もちろん挫折もありました。
最初の頃に、コンサルタントの方が来られて3Sというのをやりましょうと言われて始めたんですけど、ちょっとついていけなくなって、途中で挫折したんです。でもそこでやめませんでした。その後、改めてやりましょうとなってからはずっと続けています。
最近では企業さんが見学にこられることもあります。どういうふうに3SやQMSを続けておられるんですかとか、どうやってモチベーションをあげたらいいですかというお悩みを持ってらっしゃるので、一つ一つ「うちはこうやってます。」と答えています。そしてやめないこと、続けていることが一番大切ですとお伝えしています。
3S活動再スタートの時から数えると今年で11年になります。工場を綺麗にしよう、いらないものは捨てようと頑張って、そりゃもういっぺんに綺麗になりました。でも本当に、現場が綺麗なのが一番だと思います。見学に来られる方や新しく入られる方にしても、安全通路がちゃんと確保されているね、きちっと白線キレイになっているね、工場キレイだねってなったら、働いてみたいという気持ちになれますよね。
新しい人もたくさん入ってきておられますね。
どうやったらそんなに新しい人が入るのかとよく聞かれますが、製造業は新卒の中でも壁が高くて、それはもう苦労しましたよ。
製造業はどうしてもきついし、暑いし、汚れるということを言われます。火を使う仕事なので夏は40度、50度になることも多いんですが、新工場は空調設備も入れました。新しい子が入ってきても負担にならないようにと思っています。でも50人を超えるとやっぱり大変ですね。
怪我だけじゃなくて心の健康もケアしないといけないですよね。
従業員様が50名を超えてくると健康診断やストレスチェックの記録も必要になってきますが、実はKING OF TIMEでは個人情報の管理や面談をしたメモを個人ごとに残すこともできます。また残業時間や有休所得率などを年齢別、男女別に比較したり、全国の製造業と政府統計で自社情報と比べたり出来る機能があります。今はすべての機能の3割くらいしかお使いいただいていなくて……。(髙木)
そうなんですか!今後少しずつ使えるようになりたいです。
最後に、今後の展望を教えてください。
スタッフの大きな改革としては、規模も大きくなってきたので営業と内勤にわけて、どんどん営業が外に出ていき、内勤がそれをサポートするという業務分担を成功させようと動いています。以前は発注から出荷をして売上をつけるところまでを一人で担当していて、ひとり一人が個人商社だったんです。もう2年くらいかけて挑戦しているんですが、なかなか以前のやり方から抜けられていないので、ひとつずつ前に進んでいきたいです。適材適所で働くことで、お客さんとの関わりも違ってくるでしょうし、お客さんとちゃんと同じ話もできるし、困っていることがあればすぐにサポートもできるようになるようになると思います。特に営業を増やしていくつもりです。そして新規開拓と既存のお客さんを大切にしていくことと両方やっていきたいですね。
日鐵鋼業株式会社の能登さん、インタビューありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。
<コラム>新米PR髙木の気になる〇〇
新米PRである髙木が、ご担当者様とお話する中で気になったことを勝手に掘り下げるコーナー。今回のテーマは『人を大切にする』。
能登様とのお話の中で、新しい社員の方が働きやすい職場を作りたいというお話が出ましたが、
その中でも特に面白いと思ったのは、公式HP内にある採用情報専用ページです。公式HPとはカラーリングや使う字体もグッとフレッシュなものになっていて、素敵な写真も沢山あり、見ているだけで明るくて楽しい気持ちになれました。掲載されているコンテンツが面白く、社員インタビューでは休日の様子としてプライベートで撮った写真があり、その人の肩書きや職能だけでなく人となりが紹介されています。他にも、製品がどんなところで使われているのかがわかる写真や、入社した後のスキルマップも公開されていて、ただ作るだけではなく自分の仕事に誇りと自信を持って働いてほしいという願いを感じました。
働く環境を良くしたい、社員に幸せになってほしいという思いを持ちメッセージを上から発信するだけでなく、定期的に社長と面談をして意見を言える機会を作ったり、グループ内ミーティングをしっかり行ったりなど、社員の意見を吸い上げる仕組みづくりをはじめとした「人を大切にする」小さな行動の積み重ねが、全社一丸となった企業改革の推進にもつながっているのだと思いました。